▼上天の嵐
風に雷鳴/だが、雨はなく/平穏は悼む。自身の最期を。

▼大気の精霊
これら大気の精霊は快活で自由奔放。本当に捕らえておくなどできはしない。わずかばかりの知性しか持たぬが故に、大気の精霊たちはしばしば戦略を気まぐれと取り違え、いたずらと混乱に狂喜する。

▼蒼穹のドレイク
かくも残酷な瞬間があろうとは、誰も夢にも思うまい。
風を翼にはらませて、我が身に迫る牙の列、燃えさかる瞳。
短剣の鈎爪は予感に震えて。

▼捕縛
欲しいものは、奪い取る。
――キイェルドーの王室魔道師、グスザ・エバスドッター

▼ブーメラン
ああ! 昨日を呼び戻せ、時よ戻れ。
――ウィリアム・シェイクスピア 「リチャード二世」

▼渦まく知識
その一撃でわたしはよろめいた。と、そのとき突然、何をするべきかがはっきり理解できた。数瞬のうちに、勝利はわたしのものになっていた。
――キイェルドーの王室魔道師、グスザ・エバスドッター

▼ダンダーン
今日は大漁。明日は代わりの乗組員捜しだ。
――漁船の船長、フェイサル・アル=ムーサの航海日誌

▼暗黒の迷路
闇の道に迷いこまぬよう、くれぐれも気をつけることだ。一度道を踏み外せば、二度とは戻れぬ。
――顧問魔術師、バキー

▼偏向
上がって下がって、
行って戻って、
一回り---
ざまあみろ。

▼魔力流出
変わらないもの。それは、変化は不可避という真理。
――ヘラクレイトス

▼脱力
世界は決定的な決断の時を迎えました。ご聖断を。
――キイェルドーの王室魔道師、グスザ・エバスドッター

▼洪水
* 冷たい水がほとばしり、込み合った戦場を片づけるという奇跡を成し遂げた。
――ヴィベッケ・ラグニルド 「魔女たちと戦争」

▼魔力の乱れ
主の知れぬ槍が/突如、飛びゆく。夢に目覚めた我が眼前を......。
――ウィリアム・バトラー・イェーツ 「黒豚峡谷」

▼ガス化
......現実には在りもしない幻に
おのおのの居場所と名前を授けるのだ。
――ウィリアム・シェークスピア 「真夏の夜の夢」

▼氷河の壁
近づくと、ベルファーはそれをガラスの壁にちがいないと主張し、証明のために一人で先行した。われわれには、彼が触れた場所から手をはがし、氷の壁に皮の手形が残るにまかせる以外、選択の余地がなかった。
――ヴァイナス探検隊の隊長、トロスー

▼ハーキルの召還術
ドラフナの手になるものとして知られる呪文の多くと同様、この呪文もまた、彼の妻であり、元弟子であるところのハーキルが編み出したものである。

▼水流破
わたしたちの時代の教訓を肝に銘じなさい。かたちを変えた水は、大地そのものを動かすこともできれば、自身のうちに炎を捕えおくこともできるのだと。
――キイェルドーの王室魔道師、グスザ・エバスドッター

▼迷宮のミノタウルス
迷宮のミノタウルスがまだどこかに生き残っているとは思えない---でも、わたしたちミノタウルスはしぶとい生き物だから。
――アナーバのシャーマン、オナタ

▼生命のタップ
心に緑の樹木を絶やさなければ、たぶん、さえずる小鳥がやってくる。
――中国の諺

▼アトランティスの王
「おれたちには足はない」戦士は吐き捨てるように言った。「逃げるのをやめたからだ」
――ヴォーデイリアの民話

▼記憶の欠落
おお、良心なら持っていたとも。だが、残念。どこかに置き忘れてしまったらしい。
――チャンドラー

▼真珠三叉矛の人魚
人間の学者の多くは、マーフォークは海に沈んだアトランティスの生き残りであり、水中に適合した人間であると信じている。しかしながら、マーフォークたちは人間たちこそマーフォークから分かれ、最後の未開拓地を切り開くために地上に適合した種であると信じている。

▼幻影の軍団
これらの存在は、遠い昔に眠りについた真の英雄たちの本質を体現している。夢幻境から召喚された彼らは、敵とまみえるために立ち上がる。

▼幻影獣
まるで、おぼろな急流のごとく、
青ざめた扉を抜けて、
忌まわしき群れは次々と走り出で
あざ笑う---されどもはや微笑むことはない。
――エドガー・アラン・ポオ 「幽霊宮」

▼放蕩魔術師
魔道学院の研究者も、時には快楽に目覚めることがある。それでも、彼らが雇い主に困ることはめったにない。

▼浅瀬の海賊
押し寄せる波のように無慈悲で、その魂は月のない夜のように真っ暗。頭の中は殺戮で埋まり、胸に燃える貪欲はまるで融けた金塊のよう。

▼霊魂放逐
突然、ネスヤが身をこわばらせ、遠くの物音に耳を澄ませるように顔を上げた。と、命が消えて地面に倒れてしまった。

▼大海蛇
伝説によれば、大海蛇はかつては今よりもっと大きかったと言うが、そんなことがありうるのだろうか?

▼海の精
われらを見下ろすほど大きくなったかと思うと、そいつはさらに大きさを増し、船のマストより高くなってもまだとまらなかった。あれほど恐ろしい思いは、霧と氷に閉ざされた世界のどの海でも味わったことがない。
――北極の狐、ジャーケルド将軍

▼シー・スプライト
捕まる気のない者は、誰にも捕まえられない。
――シー・トロール、カクラ

▼セゴビアの大怪魚
リバイアサンを考えてみよ。お前はあれを釣り針でとらえ、糸でその舌を押さえることができるか?
――旧約聖書 ヨブ記、41章1節

▼風鳴りの精
彼女にとっては、死の使いは、吠え、わめき、うなりながらやって来るものだった。だから、そいつが風の鳴る音と一緒に迫ってきても、彼女は気がつかなかった。

▼魂の障壁
魂は仲間を選ぶ---
そして、扉を閉めてしまう---
――エミリー・ディキンソン 「魂は仲間を選ぶ」

▼上昇気流
いざ来たれ。来たれ、この地に! 不動の場所より/この岩が、われに続いて舞い上がる。
――ウォルター・スコット卿 「湖の麗人」

▼ヴォーデイリアの兵士
ヴォーデイリアのマーフォークは、皮膚の色と模様を見ればその身分がわかる。なかでも赤いやつには注意しろ。女帝のお気に入りのしるしだからな。
――真珠採りのコアビーオ

▼大気の壁
鷹の飛ばぬ空には用心せよ。
――フェメレフの警句

▼風の精
......どの木も頭を垂れるとき、風が通りすぎている。
――クリスティーナ・ロゼッティ 「風を見たのは誰?」

▼西風の隼
鷹匠たちの間で珍重されているものの、西風の隼は気まぐれであり、そう簡単には飼い慣らせない。